「オルカンとS&P500、両方買うのはありなのか。」
結論から言う。迷っているなら、オルカン一本でいい。
両方買うこと自体は間違いではない。実際、私は両方持っている。積立は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」一本。それとは別に、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を200万円分、スポットで買っている。
ただし、両方買うなら知っておくべきことが1つある。それを知らずに「人気の2本だから」と両方買うのは、自分が何をしているか分からないまま投資することになる。
この記事では、両方買うと実際に何が起きるのか、そして私がどういう考えで両方持っているのかを書く。
両方買うと何が起きるか:分散は広がらず、狭まる
まず、この事実を知ってほしい。
オルカンの中身の約6割は、すでに米国株だ。
オルカンは全世界の株式に時価総額の比率で投資する。今の世界では米国企業の時価総額が圧倒的に大きいので、オルカンを買った時点で、資金の約6割は米国に向かっている。アップルもマイクロソフトもエヌビディアも、オルカンの中にすでに入っている。
つまり、オルカンにS&P500を足すという行為は「分散を広げる」のではない。米国の比率をさらに引き上げる、という行為だ。
- オルカン一本 → 米国約6割・その他の国約4割
- オルカン+S&P500 → 米国の比率が6割からさらに上がる
両方買うか迷っている人の多くは「2本に分けた方が安心」と考えている。実際は逆で、合わせた後の中身は米国一極に寄っていく。この構造を理解しているかどうかが、両方買っていいかどうかの分かれ目になる。
わが家の実際:積立はオルカン一本、上乗せでS&P500
その上で、わが家の持ち方を公開する。
| 区分 | 銘柄 | 金額 |
|---|---|---|
| 私の積立(毎月) | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 月10万円 |
| 妻の積立(毎月) | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 月6.5万円 |
| 私のスポット買い | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 200万円(2025年夏に100万円、2026年1月に100万円。いずれもNISA成長投資枠) |
積立という「資産形成の土台」は、夫婦ともオルカン一本。ここは何があっても変えない。
S&P500は、その土台の上への「上乗せ」だ。原資はボーナスなどの一時金で、毎月の家計からは出していない。毎月の積立にも組み込まず、成長投資枠を使ってスポットで買った。生活を支える積立と、期待に賭ける上乗せ。財布から分けている。
なぜ私はS&P500を上乗せしたか
理由を正直に書く。私はアメリカという国の成長に、追加で期待している。
アメリカは先進国の中で例外的に、これからも人口が増え続けると見られている国だ。国連の推計では、米国の人口は2050年に約3.8億人まで増える。主なエンジンは移民の流入で、世界中から人と才能を吸い寄せる構造そのものがこの国の強みだ。人口が増えれば消費が増え、経済は成長しやすい。そして、世界を変えるイノベーションは、今もアメリカから生まれ続けている。
「それなら全部S&P500でいいのでは」と思うかもしれない。そうしないのは、私の予想が外れる可能性を、私自身が一番よく知っているからだ。
私は仮想通貨で「これは伸びる」と信じた銘柄に賭けて、2度、資産を失った。自分の予想を信じすぎた結果だ。だから資産形成の土台は「どの国が勝つか予想しない」オルカンに置く。米国への期待は、外れても土台が揺らがない範囲——上乗せの200万円まで。そう決めている。
→ 私が自分の予想を信じすぎて失敗した話は[こちら]
両方買っていい人・オルカン一本にすべき人
ここまでの話を判断基準に整理する。
両方買っていい人
- 「S&P500を足す=米国比率を上げる行為」だと理解している
- 米国に期待する自分なりの理由がある
- 米国が不調な時期が10年続いても、方針を変えずに持ち続けられる
オルカン一本にすべき人
- 2本に分けた方が安心な気がする、という理由で迷っている
- どちらが儲かるかを比べて決めたい
- 暴落したとき、どちらかを売って移し替えたくなりそうな人
「安心のために2本」は、構造を知れば幻想だと分かる。そして「儲かる方を選びたい」なら、その正解は誰にも分からない。分からないからこそ、全世界に丸ごと任せるオルカンという答えがある。
買い方の整理:迷いを仕組みで消す
最後に、実践の形に落とす。
- 積立はオルカン一本で自動化する。 これが資産形成の土台。金額は家計に合わせて(わが家は夫婦で月16.5万円)
- S&P500を買いたくなったら、成長投資枠でのスポット買いにする。 毎月の積立と混ぜないことで、「土台」と「上乗せ」が明確に分かれ、迷いが仕組みで消える
- 上乗せの上限を決めておく。 私は仮想通貨で上限を決めずに失敗した。期待に賭ける金額には、必ず枠を設ける
新NISAでの積立の始め方は、[40代からの新NISAの始め方]に手順をまとめている。
まとめ
- オルカンの約6割はすでに米国株。S&P500を足すのは「分散」ではなく「米国への集中を強める」行為
- 迷っているなら、オルカン一本でいい。それで世界の成長は取り逃さない
- 米国に期待する明確な理由があるなら、両方買うのはあり。ただし積立の土台はオルカンに置き、S&P500は上限を決めた上乗せにする
私は両方持っている。それでも、これから始める人に最初の一本を聞かれたら、迷わずオルカンと答える。
→ SBI証券の口座開設はこちら(※後日追加)

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