2017年末。私が初めて仮想通貨を買ったのは、あるCMがきっかけだった。
あの頃、何を考えていたか。何が起きたか。今回はその話をする。
テレビで出川哲朗さんが仮想通貨取引所コインチェックのCMに出ていた。「仮想通貨って何?」という好奇心で、とりあえずアプリをダウンロードしてみた。そこで目にしたのは、ビットコインをはじめ様々な仮想通貨が日に日に価格を上げていく光景だった。これに乗り遅れたら損だ、そう感じた私は急いで口座を開いた。当時のビットコインはすでに200万円に迫っていた。高すぎて手が出ない。そこで目に止まったのが、30円台のリップル(XRP)だった。送金に使われる仮想通貨で、手数料が安くて速い。なんとなく実用性がありそうに見えた。
買った日から、相場は毎日上がっていった。
1日で数パーセント上がる。翌日もまた上がる。含み益が10万円になり、50万円になり、年をまたいだ頃には200万円を超えていた。20万円が220万円ほどになった。たった数週間で。
その時の私の心境は、「上がりすぎて売るにも売れない。どこまで上昇が続くのか、今売ってしまうと損した気分になる。」また当時は秒速で1億を稼ぐ男のY氏がXRPホルダーであったので、彼のツイッターから相場の見解を参考にしてホールドを貫いていた。
今振り返ると、当時の私は自分の判断を持っていなかった。いくらで売るか、いくらになったら損切りするか、何も決めていない。世界中の猛者(トレーダー)が集まる戦場に、手ぶらで入っていたようなものだ。
ついにその時が来た。2018年1月下旬、コインチェックがハッキングされた。
580億円相当の仮想通貨が不正流出した。そのニュースが流れた瞬間、出金も取引も一切できない状態になった。私の資産も、その中に閉じ込められた。
相場は瞬く間に崩れていった。
画面の数字が減っていく。それをボーっと見ているしかなかった。
その後ロックが解除された頃には、220万円あったはずの口座は14万円になっていた。 マイナス6万円、と言えばそうだ。元本20万円に対して6万円の損失。200万円ほどの含み益は幻と消えた。
そして、もう一つ私を驚かせることが起こっていた。Y氏が最高値付近でリップル(XRP)を利確していたのである。 (私の心の声)「お前、まだ大丈夫やからホールドやって言ってたやないか!いつの間に一人で売り抜けてんねん!」と心の中で叫びつつ、「さすが相場で稼ぐ人間の勝負感は違うな」と大きく感心した。まさに自分の考え(戦略)を持たず参戦した結果の末路であった。
そして焼け野原となった仮想通貨市場をただ眺め続けることしかできなかった。
次の記事では、それでもやめなかった理由を話す。

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